池谷陽子展、昨日は楽しいトーク会!

昨日は青空のもと、テラスでの池谷陽子さんのトーク会。まずヤーノシュの「おばけりんご」を、陽子さんの素敵な造形と、陽子節の語りで始まりました。独特の楽しさで笑いを誘い、前列の子どもたちもニコニコ顔でした。そのあとは、牧場のお嫁さんになりたい、という夢を実現した、北海道の北の果て、宗谷での、17年間の暮らしのお話を、とつとつとした語りで聞かせてくださいました。道を隔てて流氷が流れ着く海。流氷が来ると空が青くなり海がキラキラ輝くので、わかる。あの美しさを味わえたことや、雪が降り積もると、広い牧場一面に風でできる雪紋が、それは綺麗で、そんな中で暮らせたことはかけがえがなかった。でも寒さは半端なく、車を降りて、雪をかきながら、家の戸口にたどり着くまでも、寒さで凍えて苦しい。背中のねんねこにおぶっていた子どもが家にたどり着いたとき、冷たくなって、目をつぶっていたときは思わず「死なないで!」と叫んだ。眠っていたのだけど。朝晩の牛の搾乳も欠かせず、結婚前に聞いていた話と随分違った。でも30.40代になった、宗谷育ちの娘や息子とその頃のことを話すと、彼らなりに親も知らないいろんな体験を語ってくれて、やっぱりあそこで暮らせたのはよかったな、と思える。とにかく何かを作るのが昔も今も大好きで、牧場で冬の間作っていたアップリケなどが始まりで、絵本も木版画やスクラッチボードや絵で描くようになった。東京に来てからも、引きこもり生活の中で色々作ったりするのが性に合っている。今回の展示の「じいじとぼく」は今近くに住む孫と夫君との、ものづくり大好きな暮らしを絵本にしたもの。主人公のクマは、大好きな星野道夫くんの写真の幸せそうなクマの姿を見ながら暮らしているので、その姿を見ながら描いた。と、語ってくださいました。
私も陽子さんの絵本を作りたくて宗谷にも何度かうかがい、流氷を見たり、牧場での陽子さんの暮らしを見せていただいたりしました。ちょうどコウシが逃げた、というときがあり、その時の陽子さんの、瞬発力と、ちゃんとコウシを、捕まえて、牛舎に入れた底力は忘れられません。今回の展覧会もエンジンがかかるまでちょっと心配でしたが、そのあとは凄い勢いで素敵なカーテンを作っては送ってきてくださり、陽子さんの底力健在、を実感しました。
おかげさまで昨日、人気のカーテンは全部売り切れ。小さな絵もたくさんお持ち帰りいただいてらワクワク楽しいいちにでした。、

ギャラリーカフェ飛ぶ魚

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