11月5日快晴! 西巻茅子さんのトーク会でした!

 すばらしいお天気に恵まれた5日の土曜日、あの『わたしのワンピース』の作者、西巻茅子さんが『飛ぶ魚」でお話をしてくださいました!東京大空襲の時はタンスの後ろにかくれて、空を見ていたこと、疎開先はまずは栃木で次は千葉。小学校一年生までの一年半ばくらいの間、それぞれの場所でことばでからかわれながら、ガキ大将で元気に過ごしたこと、東京にもどって、またことばでからかわれ、しばらくだれとも口をきかなかったこと、この時期にご自分の「今」が決定された。世界との関係、自然との関係が。だから子ども時代というのはその人を決定する力を持つ、大事な時代だと思う。

お父様が画家で貧しいながら、たくさんの絵にふれ、19世紀から20世紀はじめのヨーロッパ絵画の洗礼もうけ、どんな絵がいいか、見る目には自信があった。自分も絵が好きで、絵の学校へ進学。卒業後、版画の勉強に通った版画協会ではやばやと賞をもらったりして、絵本の出版社「こぐま社」を紹介され、はじめて描いた絵本が『ボタンのくに』それが評判がよく、次に描いたのが『まこちゃんのおたんじょうび』そして3作目が今「飛ぶ魚」で原画展示中の『わたしのワンピース』。これははじめ評価が低くなかなか売れないで、5年めくらいからやっと売れはじめた。自分としては、ストーリーというより、絵で語る絵本を作りたくて、真四角の中に三角形がある、その形をはじめに描いたといわれていました。この絵で物語るという飛躍は当時としては新しすぎたのでしょうか。発行年から47年たった今も、子どもたちが大好きな絵本なのに不思議です。大人がこれは?と首をかしげても子どもたちが大好きな絵本はずっと残っていくという見本ですね。当時は絵描きさんの権利というものはほとんど認められていなかったので、本の印税をちゃんと設定するようにという運動を『童美連』という組織でやってこられたお話もされました。基本的にずうっと絵本を書いてこられるいい時代にいたと思います、とおっしゃっていました。

 西巻さんは自伝の本は書かれていないので、はじめてお聞きすることもいっぱいで、ほんとうに貴重な体験でした。その後お会いした方々も口々にほんとにいいお話がきく

ことができてよかった、とか、小さい時から大好きな絵本、あこがれの西巻茅子さんにお会いできて、夢のよう、といわれていた方にたくさんお会いしました。

 わたしはテラスのむこうにオレンジ色のみかんが輝くこの季節に、西巻茅子さんを『飛ぶ魚」にお迎えできてとてもうれしく幸せでした。西巻さんの落ち着いたあたたかいたたずまいと初々しくりんとした絵が大好きです。そして貴重なお話しをこんなふうに語って下さった上、夕方寒くなったテラスで、長い列ができてしまったのに、お一人お一人に丁寧な絵つきのサインをしてくださって、ほんとうに感謝でいっぱいです。