鈴木永子さん、親しみいっぱいのトーク

 すらっとした少女のような姿の鈴木永子さんが、はじめに語ってくださったのは、絵を描く人になろう、と決意したときのこと。お父様に連れられて行った展覧会で一枚の奥村土牛の絵に魅せられた時だということでした。その後絵の勉強をし、会社のデザイン部門で働いていた鈴木さんは産休に入り、暇になった時はじめて自作の絵本をつくろうと思われたそうです。(その秘蔵の手作り絵本も見せてくださいました!)そして絵本『ちょっとだけ』(福音館書店刊)の絵の話へ。絵本の依頼が来る前に、犬好きの鈴木さんはある日、公園でフリスビー好きの愛犬と遊んでいた時「かわいい!」といってきた4歳ぐらいの女の子がいて、それがきっかけでその子の家族と知り合いになった。『ちょっとだけ』の絵を描くにあたって、家にいる子どもの姿をとらえることができなければ、この絵をかけない、と思い、そこであの女の子のしぐさを描かせてほしいということで、しりあった家族をたずね、だんだんと心をゆるしてくれたその子どもをモデルに『ちょっとだけ』の絵をかきすすめることができた。その間、その女の子と過ごした時間がどんなに楽しかったか、を具体的なエピソードいっぱいに楽しく語ってくださいました。鈴木さんはまるで踊っているように、右へ左へ動きながら、上手に間をとりながら、聞いている私たちを笑わせて楽しませてくださいました。。『ちょっとだけ』の絵本ぜんぶに流れている暖かさは「鈴木さんとモデルの女の子」の物語に支えられていることが、とてもよく伝わってくるお話でした。

 シャイで気さくな、絵をかくのが大好きな鈴木さんとお話をしたくて、トークがひとまず終わってもみなさんが鈴木さんをかこんでお話。その後、、本にサインをしていただきながらひとりひとりとゆっくりとお話をしてらっしゃいました。茶話会でコーヒーをのみお菓子を食べながらまた歓談。みなさん輝く笑顔で『ちょっとだけ』をかかえて帰って行かれました。

 5時すぎからは恒例の作者を囲んでの、残れる方だけ10数名のお食事会。お料理の達人Kさん、いつもおいしいものを持ってきてくださるOさん、そして今朝はやくから料理づくりに邁進の!わたくしのお料理がテーブルいっぱいに並んで、おいしいワインもたっぷり、ジンジャーエールもあり、で楽しいお話が飛びかいはずみました。東京からいらしてくださった保育士の方が2歳児からずっと長いこと園では『ちょっとだけ』を読んでいて、子どもたちはいつもしーんと聞き入っていると語ってくださいました。

 翌日曜日もほんとにさわやかないい天気。「飛ぶ魚」の上の「星が山」に鈴木さんとお友だちのMさんと行って、新緑の緑に囲まれ、鶯のさえずりを聞きながら、お散歩をしました。

 こんな日に、胸をいっぱいにしていらしてくださり、語ってくださった鈴木永子さんを、この地にお迎えできて、ほんとうによかったと思いました。