南塚直子さん感動のトーク!

きょうは楽しみにしていた南塚直子さんのお話の日。たくさんの方がいらしてくださいました。南塚さんが人前でお話するのは、なんと今日が初めてだということ! 今までお話があってもお受けしてこなかったそうです。でも初めてとはとても思えない明快かつわかりやすい語り口にみなさん聞き入っていらっしゃいました。

 南塚さんはハンガリーで銅版画を学ばれたのですが、その手法は日本の版画とは異なり、一版に色分けして刷るやり方で、日本でそれをしているのはおそらく南塚さんだけだろうということでした。このやり方だと、たくさんの版が刷れないので敬遠されがちですが、南塚さんはその手法でたくさんの絵本を作ってこられました。特に思い出深いのは詩人まどみちおさんの詩に絵を付けた仕事で、絵を描きたい詩を選ばせてもらって絵を描いた。なにげない詩でも自分の中にありありと絵が浮かんできたものを描いた。今やっとまどさんが表現された生き物の命を感じる世界が少しわかるようになったかなと最近思う、と言われました。

 銅版画を30年やってきて、新鮮な気持ちで銅版画に向かうことができにくくなってきたと感じはじめていたころ、手術をして10年来の持病から解放された。そのころ昔から記憶に焼き付いていた、陶板画をやってみたい!と思うようになり、ついに京都の大学で陶板を学ぶことにした。今大学3年生で若い人たちと仲間として制作をし、刺激をもらい、陶板を銅板の手法ですることで、新しいものを生み出すことができた。今は新しく創っていく意欲をもって寿命までやってゆきたい。陶板の絵本もつくっていきたい。

 と、語られ、その前向きに生きる言葉に思わず拍手が沸き起こりました。銅版画の手法も、実物を見せながら、わかりやすく話してくださり、また質問に答えて陶板の手法もていねいに話してくださいました。今までの平面の仕事から凹凸のある表現ができることが、南塚さんにとって陶板の大きな魅力になっている、ということです。

 お話のあとは、みなさんそれぞれ作品のひとつひとつを堪能し、たんぽぽ作業所の方たちの力作、黒猫のクッキーをいただきながら、南塚さんの絵本にサインをいただいたり、お話をしたりされていました。

 人が力を尽くして何かに向かう姿を、こんなふうに見せてくださった南塚さん、ほんとうにありがとうございました。お聞きになった方たちはきっと南塚さんのことばと作品にパワーアップされて、帰路につかれたことと思います。これからのお仕事がますます楽しみです!