感動のギャラリーTOMでの「お話の会」

2月2日、東京の松濤のギャラリーTOMでのズビネック・セカール展で、セカールが大好きな3人の方のお話を聞きました。セカールはチェコのプラハ生まれ。ナチスにより4年間マントハウゼンンの収容所にいれられ、1969年にはウィーンに亡命。祖国に帰ることなく1998年ウィーンにて亡くなった彫刻家。お話をされたのは染色作家でもと女子美術大学の学長もされ、絵本も描かれている柚木沙弥郎(ゆのき・さみろう)さん、世界的なパッケージデザイナーの鹿目尚志(かのめたかし)さん、神奈川県立近代美術館館長の水沢勉さん。私は柚木さん、鹿目さんのおふたりの、魅力的で常に新しい作品とお人柄が大好きで、おあいするたびになんて素敵、と感動します。

柚木さんは92歳というご高齢ながら、じつに明晰な、じつに真実味のあることばで、セカールを語られました。80代になってセカールを初めて見たときの衝撃、そのあと、ご自分の作品も変わられたこと、セカールの彫刻は、形をつくるのではなく、姿をつくっている。姿というのはナイフやテーブルウェアのような雑貨に見る代々がつくってきた姿と接点のあるもので、その頂点にセカールの彫刻がある。セカールの作品の、いさぎよさ、最後にその姿で放られたものがそこにある、清冽さ、実在の重さを思う。それでいていさぎよい明るさがある。自分もそういう明るさにあずかるものだが、できたものを放るようにして実在させて、いさぎよく逝きたいものだ、と語られました。セカールのさりげない風情でいて凛とした、そぎおとされた味わいのある彫刻が、静かにあたたかく、柚木さんのことばの中で、たちのぼってきました。

鹿目さんは87歳。柚木さんのお隣で、少年のように初々しく柚木さんのことばに感動しておられました。鹿目さんもやはりセカールに深く魅せられ、苦しい閉じ込められた生活、亡命の生活の中で、魂のうながしによってのみ生み出された彫刻の、線のやさしさ、無垢なたたずまいに心動かされたと語られました。

染色、パッケージと分野は異なりますが、それぞれのお仕事の中に、セカールの、ニュアンスに富んだあたたかいシンプルな姿を感じるのは私だけではないと思います。

お二人の語りを水沢さんが的確にとらえ、わかりやすく補ってくださって、ますますセカールの魅力が深まった一時間でした。

来年は鹿目さんの「馬と男の子」のすてきな絵本ができる予定です。柚木さんもまた新作の絵本をすすめているというお話でした。こんなすてきな方たちの描かれた絵本を味わうことのできる子どもたちはなんて幸せなことでしょう。絵本ができたら、「飛ぶ魚」でお二人の絵本の絵や作品をご紹介できたら、と夢見ています。

誘ってくれたYさんありがとう!帰りはいっしょに行ったRさん、Iさんたち、そして孫の中学生とその友人、丹、みんなそれぞれの感動を胸にして、近くのレストランで、フランスのブルターニュ地方のガレットやクレープをおいしくいただきました。

 

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